心理的資本を育てる新しいマネジメント
マネージャーになってよかった。マネジメントって本当に楽しくてありがたい。
代表の松川です。伝えたはずなのに動いてくれない・・・ 研修をしても現場に戻ると元通り・・・ やる気を引き出したいのに、どう関わればいいかわからない・・・ 実際に、経営者さんや人事担当者さん、マネージャーさんからこうしたお声を本当にたくさんお聞きします。 私自身も、25年間で7つの業界、8つの職種を経験し、ベンチャー企業では初の女性マネージャーとして約9年間チームを率いてきました。うまくいったことも、いかなかったこともたくさんありました。その中でずっと問い続けてきたのが「目の前の仲間たちはどんな未来を思い描いているのか」「そのためにどんな手段を選択して生きてきたのか」「大切な人生をどうしたら自ら輝かせていくのか」でした。そのために「どうしたら人は自ら動きたくなるのか」、1人ひとりの見えないこのポイントを丁寧に掘り下げていく手段を活用していました。
そして時には、他のマネージャーの真似をして自分には全く合わない手法に、仲間をがっかりさせたこともあったと思います。それでも「マネージャーになったからには」「女性初の管理職なんだから」「仲間を絶対私が守る」と、自分を奮い立たせて踏ん張っていた記憶があります。今となってはそれもおこがましかったな、と思いつつその時の自分を許せていたりもします。
ところが、15年前自走型人材を次々と生み出すマネジメントと出会うこととなります。当時プレイングマネージャーだった私は自分の業務に加え、マネジメントすることに負担を感じていました。それが驚くほどこのマネジメントにより「マネージャーになってよかった。マネジメントって本当に楽しくてありがたい」とまで、心に変化が訪れることになります。これが、これからご紹介するヒューマンアビリティマネジメントの土台となる、誰もが自ら輝き活躍したくなるマネジメント技術です。
現場で自走型人材が生まれて続けた理由を、脳科学が裏付けてくれた。
この誰もが自ら輝き活躍したくなるマネジメント技術は、そのマネジメントに触れた仲間たちは自分たちがマネージャーに昇格しても同じように再現することができる非常に素晴らしい技術でした。ところが、体現すればできる、体験したことがない人にまで再現できる技術には昇華していませんでした。私たちはこの「感覚的にはこのマネジメント技術がイキイキ動き出すきっかけを作る」ものから、誰もが活用できる技術にすることでプレイングマネージャーのマネジメント負担を大幅に削減できると考えたのです。
でも、なぜこんなにも自走型人材を生める技術なのか…その理由を知りたくて、起業当時から人のメカニズムに着目し脳科学や心理学を学びながら体験を積んでいくと、驚いたことに現場で効果があったことの多くに科学的な裏付けがあったんです。
約7年をかけて、具体的な現場の実践知と脳科学を掛け合わせ、誰もが再現できる形に体系化したのが HAM(Human Ability Management:ヒューマンアビリティマネジメント) です。
ヒューマンアビリティマネジメントは、脳科学などのエビデンスを元に開発したのではなく、私たちが現場で積み重ねてきた実践知から生まれ、累計1万人以上の働く人たちの自走変化を元に開発しています。脳科学や心理学などのエビデンスはあくまで「なぜうまくいったのか」を説明する手段として活用しています。だからこそ、1人ひとりのマネージャーの「今までなんとなくうまくいった」も分析・解説することで、誰でも自分らしく再現できるメソッドになっています。
ヒューマンアビリティマネジメント(HAM)の根っこにある考え方|人は育てるものではなく”育つもの”
人は育てるものではなく、育つもの。マネジメントの役割は、人が自ら動きたくなる状態をつくること。
以前の私はマネージャーとしてチームの仲間を「成長させなきゃ」と必死になっていました。その時に自走型人材支援が得意なマネージャーに言われました。
「人を成長させようなんておこがましい」と。胸を掴まれるようにハッとしたのを今でも覚えています。
成長するの主語は、必ず「本人が」です。
マネージャーが必死に「なんとかさせよう」とするほど、実は相手の脳は身構えてしまっていました。「させる」ではなく「したくなる」状態をどうつくるか、ヒューマンアビリティマネジメント(HAM)はここに焦点を当てたマネジメントです。
「心理的資本」という考え方をご存じですか?
人的資本経営という言葉が広がる中で、いま注目されているのが 「心理的資本(Psychological Capital)」 です。アメリカの組織行動学者フレッド・ルーサンス氏が提唱した考え方で、人が前向きに力を発揮するための「心の資本」を指します。
心理的資本は、次の4つの要素で構成されていて、頭文字をとって「HERO(ヒーロー)」とも呼ばれています。
H:Hope(希望) 目指したい姿があり、そこへの道筋を自ら描ける力
E:Efficacy(自己効力感) 「自分ならできる」と信じて一歩を踏み出せる力
R:Resilience(レジリエンス) 壁にぶつかっても、しなやかに立ち直れる力
O:Optimism(楽観性) 物事を前向きに捉え、未来に期待を持てる力
そして何より大切なのは、心理的資本は生まれ持った性格ではなく、関わり方や環境によって「育てることができる」 ということ。
私自身もPsyCap Master®(心理的資本開発指導士)として多くの方と向き合ってきました。心理的資本が高まった人は、誰かに言われなくても自ら考え、動き、周りを巻き込んでいきます。まさに「自ら育つ人」の姿なのです。
ヒューマンアビリティマネジメント(HAM)の構成|氷山の下にある95%に働きかける
人の意識は、よく氷山に例えられることがあります。
水面の上に見えている「意識」はわずか5%ほど。残りの95%は、水面下にある「無意識」が行動を動かしていると言われています。
たとえ自分自身で「これは正しい」「すごくよい」と感じて継続しようと思ったとしても・・・
仲間が「明日からやります」と言ったとしても・・・
行動が変わらないと感じることはよくあります。これは水面の上の5%だけに働きかけているから。
HAMでは、この水面下の「無意識」にアプローチすることで行動変容が起きるメカニズムを起点にしています。
その土台となっているのが、HAM独自の 「7層の心理モデル」 です。
目に見える「行動・言語」の層から、価値観や思考のクセ、感情、そして一番深い「神経・生理基盤」まで、人の内側を7つの層で捉えます。
表面の行動だけを変えようとするのではなく、どの層でブレーキがかかっているのかを理解することで、本人が納得して自ら変わっていける関わり方ができるようになります。

ヒューマンアビリティマネジメント(HAM)で、心理的資本はこう変わる
実は、HAMが働きかけているのは、まさにこの心理的資本の土台となる部分です。
「前向きになりましょう」「自信を持ちましょう」と言われても、人はなかなか変われません。それは、心理的資本を左右しているのが、水面下にある無意識や脳の仕組みだからです。
HAMは、その仕組みを理解したうえで関わるからこそ、4つの力が内側から育っていきます。
■Hope(希望)|「見えない未来」が「見える未来」へ
脳には、自分にとって大切だと認識した情報だけを拾い上げる「RAS(網様体賦活系)」という仕組みがあります。ありたい姿が言葉になると、脳はそこにつながる情報やチャンスを自然と拾い始めるんです。HAMでは、未来から逆算して「ありたい姿」を描くことから始めるので、目指す方向と道筋が少しずつ見えるようになります。
■Efficacy(自己効力感)|「私には無理」が「私にもできるかも」へ
脳は「やってみたい」「できた」と感じたとき、ドーパミンを出して次の行動を後押しします。
大きな目標をいきなり追いかけるのではなく、自分で決めた小さな一歩を重ねていく。HAMではこの小さな成功体験を意図的に積み重ねることで、「自分にもできる」という実感を育てていきます。
■Resilience(レジリエンス)|「心が折れる」が「しなやかに立ち直る」へ
不安や危険を感じると、脳の扁桃体が反応して思考にブレーキをかけます。これは人間に備わった、身を守るための大切な機能です。HAMでは、この仕組みを知ることで「今、自分の脳が反応しているんだな」と一歩引いて自分を見られるようになります。落ち込むことがなくなるのではなく、落ち込んでも戻ってこられる力が育ちます。
■Optimism(楽観性)|「どうせ・・・」が「だったらどうしよう?」へ
私たちの脳は、否定的な言葉や思い込みに強く引っ張られるクセがあります。
HAMでは、自分の思考のクセや言葉の使い方に気づき、捉え方を選び直していきます。根拠のないポジティブ思考ではなく、現実を見たうえで「じゃあ次はどうしよう?」と考えられる、地に足のついた前向きさが育っていきます。
心理的資本は、教えて身につくものではなく、自分の内側から育っていくもの。HAMは、その「育つ」を科学的に後押しするマネジメントです。
マネージャー自身の心理的資本も育つ
HAMを学ぶと、まず変わるのは「自分」です。
自分の思考のクセに気づき、相手の反応の理由がわかるようになると、関わり方が自然と変わります。
そして、マネージャー自身の心理的資本が高まると、それは周りにも伝わっていきます。
脳には、相手の表情や感情を自分のことのように感じ取る「ミラーニューロン」という仕組みがあります。前向きなリーダーのもとでは、メンバーも前向きになりやすい。一人の変化が、チームの空気を変えていくんです。
これまで大手企業様のクロスメンタリングをはじめ、企業・行政・教育機関など100社以上でHAMをもとにしたご支援をさせていただきました。その実践の中で、「やらされる」が「やりたい」に変わる瞬間に何度も立ち会ってきました。
研修やマネジメント支援はもちろん、HAMを学び、自社で実践していただける仕組みづくりにも取り組んでいます。
「知る」から「自ら育つ」へ|2年間の育成プログラムを準備しています
研修を受けたその日は「よし、やってみよう!」と思えたのに、気づけば元の自分に戻っていた・・・。
そんな経験はありませんか?
これは決して、意志が弱いからではありません。
私たちの行動の95%を動かしている無意識のクセは、長い年月をかけて脳に刻まれてきたもの。一度の研修で「知る」ことはできても、それが「自然にできる」ようになるまでには、どうしても時間がかかるんです。
脳には、繰り返し使う回路ほど強く太くなっていく性質があります。
新しい関わり方を、現場で試し、振り返り、また試す。その積み重ねによって、少しずつ新しい回路が育ち、やがて意識しなくてもできる「自分のあたり前」に変わっていきます。
そこで現在、HAMを体系的に学び、実践を通して自分のものにしていただく 2年間の育成プログラム「HAMアカデミー」 の開講に向けて準備を進めています。
なぜ「2年」なのか
2年という期間には、3つの理由があります。
1.まず「自分」を知り、整えるところから始めるため
HAMアカデミーで最初に向き合うのは、相手ではなく「自分自身」です。
自分の思考のクセや感情の動き、無意識のブレーキに気づき、自分をマネジメントできるようになる。そこではじめて、他者を深く理解し、相手が自ら動きたくなる状態をつくれるようになります。
「自分を知る → 他者を理解する → 人が育つ環境をつくる」という段階を、一つずつ丁寧に積み上げていくには、相応の時間が必要となります。
2.「わかった」を「できる」に変えるため
HAMアカデミーでは、2年間を通してセルフマネジメントを継続しながら、7つのフェーズで学びを深めていきます。学んだことをすぐに職場で実践し、その結果を持ち寄って振り返る。この学びと実践のサイクルを何度も繰り返すことで、知識が行動に、行動が習慣に変わっていきます。
3.心理的資本が「育つ」には、経験の積み重ねが欠かせないため
希望、自己効力感、レジリエンス、楽観性。心理的資本の4つの力は、話を聞くだけでは育ちません。
小さな挑戦をして、うまくいったり、つまずいたり、そこから立ち直ったり。そうした実体験の一つひとつが、心の資本を確かなものにしていきます。1年目に芽生えた変化を、2年目で自分の力として根付かせる。そのために2年という時間を選びました。
人は、自ら育つ。その「育つ」に、じっくりと伴走する2年間です。
2年後、受講された皆さんは、自分自身をイキイキと活かしながら、周りの人の可能性も引き出していける存在になっている。そして、その一人ひとりが組織の中で新しい「人が自発的に活躍したくなるあたり前」をつくっていく。そんな未来を思い描きながら、今、一つひとつのプログラムを形にしています。
詳細が決まりましたら、改めてこちらのブログでもお知らせいたします。
人が変わらない、組織が変わらない・・・そうお悩みの方こそ、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
ここまで読み進めていただき、出逢えたこの瞬間に感謝申し上げます。ありがとうございました。


