”オムニバス”という言葉をご存じですか?

映画等でよく使われているので、言葉自体をご存じの方は多いかもしれません。
オムニバス映画として洋画では“ナイト・イン・プラネット”“ラブ・アクチュアリー”等、日本では“ブルーハーツが聴こえる”やドラマ“世にも奇妙な物語”等が有名です。

1本の映画の中にテーマ・シチュエーション等を統一して複数の独立した短編物語が一つの作品となったものがオムニバス映画と言われます。それぞれの物語は単独として存在しているのですが、その世界観やテーマが統一化されていて一つの作品として判断されているわけです。そう考えると会社経営というのも同じように感じてきます。

オムニバスという言葉は、ラテン語で“「すべての人のために」を意味するオムニブス(omnibus)をイギリス英語風に呼んだ呼称”です。そして元のラテン語を語源として、英語では「多数のものを含む」「包括的な」「抱き合わせの」などの意味ができてきます。その後フランスで乗り合い馬車のことを”オムニバス”と呼ぶようになり、自動車に代わってからは乗り合い自動車が”オムニバス”と言われ、短縮形として現在日本で使われている“バス”となったと言われています。

かつての日本型経営では、終身雇用・年功序列制度の中で会社組織を家族としてとらえ、事業という一つのテーマ(目的地)に対してすべての人が参加して作り上げていく(乗っていく)形をしていたと思います。つまり映画で考えれば社長は監督若しくはプロデューサーで、幹部層が主役、それ以外の方がそれぞれの役割を担って一つの作品を仕上げていく、そんな1本の映画のような会社組織の在り方だったと思います。ただ、現在のVUCA時代では、若い人はワークライフバランスを重視しながら、給与は上げたいと思っている人が7割を超える時代です。つまり仕事が人生そのものという考えではなく、仕事は人生の一部であり、プライベートな時間を充実させることも重要と考えている人が多くなってきているということです。つまり一人一人の人生ストーリーがそれぞれあり、それが一つのテーマとして集められ映画となる。それぞれの短編ごとに役者も監督も違う等、まるでオムニバス映画のような形だと思います。つまりバスで考えれば昔は目的地は一つで全員が同じ場所から乗り、全員が同じ場所で降りる観光バスのようなものです。でも現在では、路線バスのようにいく方向は決まっていますが、途中にバス停があり、乗る場所も降りる場所もそれぞれの人がそれぞれの自分の目的に合った場所で行う。そういう形に変わってきたのではないかと感じます。まさにこれもオムニバスということです。

そこでオムニバス経営とは働く人や物がそれぞれ単独のストーリーを紡ぎながら全体として一つの作品にする。それはまさに会社という箱があり、そこに必要なものを押し込めるのではなく、人や商品に着目しそれぞれのストーリーを重視しながら一つの物語にしていくそういう経営が求められているのではないかと思います。そうなると監督やプロデューサーに求められる能力は変わってくるわけです。監督もストーリーの数だけ必要になります。そしてオムニバス監督には一つ一つの短編を一つのストーリーとして見られる形にする工夫が必要な要素となるようになるということです。社員が10名であれば10個のストーリーが、社員が1000名であればそこには1000個のストーリーがあるということです。それを一つのテーマに導き最終的に一つの作品として素晴らしい意味を持たせられるそういう経営手法が必要な時代になってきたのではないでしょうか。

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