株式会社TWINKLE STARS

”株式会社TWINKLE

見えない星はあっても輝かない星はない

経営理念(ミッション・ビジョン)を作っただけで終わっていませんか?

労務行政研究所の調査によると経営理念がある企業は90%以上と言われています。

2000年代前半の調査によると経営理念がある上場企業とない企業の割合は6対4でその平均経常利益は「大幅に経営理念がある企業が多かった」との結果が出ています。そこから15年ほどたち、ほとんどの企業が経営理念を掲げています。一方、HR総合調査研究所の調査では浸透度に課題があるようです。

経営理念の浸透度がROAに良い相関を与えているという研究結果もあるように、現在は浸透に課題感がある企業も多いのではないでしょうか。

では、なぜ経営理念(ミッション・ビジョン)の浸透度が低い状態になるのか、考えてみましょう。
下記「ミッション・ビジョン・バリュー・行動指針の位置づけ」を簡単に表にしてみました。

各企業とも様々な浸透施策を行われていると思いますが、そもそもミッション・ビジョンは「将来のありたい姿を現すもの」です。経営者は「未来を見据え戦略を思考する」、マネージャーは「経営者のミッション・ビジョンに基づいた経営戦略を現在の行動を見据えてマネジメントをする」、社員は「現在を見つめ日々の業務(行動)に思考を巡らす」。このように、時間軸は「未来ではなく現在」、行動軸は「戦略ではなく行動」となるため、経営者が見つめるミッション・ビジョンの掲示と浸透だけでは絵にかいた餅状態となってしまうのです。ですから、現場の思考や判断基準となる「バリューや行動指針」を策定し浸透させることで、社員は意思決定の際にブレない判断軸を持つことができ、結果として自信や自発行動に繋がるため組織のミッション・ビジョンの実現性が高まるのです。

現在のVUCA時代においては前例がない事象も多く、昔に比べると意思決定の速さが企業成長の重要な要素になりつつあります。そのため判断基準が個人に委ねられる仕組化が、組織の成長には不可欠となってきました。そのような環境においては行動指針の浸透、実践をどのように仕組化していくのかが大事になっています。

行動指針を浸透させる方法としてクレドがあります。リッツカールトンが最も有名ですが、このクレドを徹底することが圧倒的なサービス価値を生み出していることは有名です。またクレドは、BtoCには有効だろうけどBtoBには有効なの?という疑問もあるかもしれません。確かに顧客満足度に影響することは想像しやすいと思いますが、BtoBでも顧客満足度が上がれば収益に好影響を及ぼすのは容易に想像がつきます。当然どの企業においても自走型社員が増加すれば労働生産性が向上していくのです。行動指針を策定し浸透されていれば、自走型社員は自らの価値観で判断するのでは組織の指針を基に行動判断をすることができます。このように自走する社員が増加すると同時に、その行動指針に基づいた評価等の仕組化が重要になってきます。

実際現在のマネージャーの90%はプレイングマネージャーです。自身の業務と同時に部下のマネジメントや成長を促進するための行動、合わせて時短へのプレッシャーとマネージャーに係る負担は大きくなる一方です。そのようなマネージャーのマネジメントの負担を大幅に軽減できるのが行動指針です。マネージャーが行動指針に基づいた決定を繰り返すことで、部下も決定する方法が行動指針に基づいていきます。そうすると難しい業務であっても部下にある程度任せることができるようになります。

今までのお話で行動指針の策定が企業にとって重要になってきていることはお分かりいただけたと思います。

では、なぜ行動指針の策定する企業が増えないのでしょうか?

これは行動指針を公表することに懸念を感じるからではないでしょうか。ほとんどの企業が経営理念などに関してはHP等で公表されています。企業が経営理念などを作成する目的として、CSR等の対外的な信用を得るためという理由でHPに公表されている会社が多いのではないでしょうか。また、浸透策の一つとしてHP等で公表する方法が有効であるためという企業も多いかと思います。この点に関しては、実際に行動指針を公表することで、社員が行動指針を守らなければいけないと社外からのプレッシャーを感じるため、浸透策として非常に有意義な方法ではあるといえます。しかし、ここに抵抗感がある経営者がいることも事実です。自社内で行動指針を作成するか検討する際に「大事な要素ではあるが、これを公表することがデメリットになるのではないか?」と感じ、そもそも作らないという選択肢に至ってしまうことはあると思います。ただ、行動指針は必ずしも公表する必要性はないのです。社内だけで通用する行動指針(若しくは行動指針のみ公表し細則として社内浸透させるもの)を作成することも可能です。

経営理念や行動指針が浸透度が高い企業では、事業成長が早く社員のモチベーションやエンゲージメントも上がってきます。

現在のVUCA時代において企業成長の良し悪しを決めるのは、行動指針の策定と浸透の仕組と言えるかもしれません。

【本記事に関する参考URL】
経営理念の策定・浸透に関するアンケート(労務行政研究所)
「企業理念浸透に関するアンケート調査」結果報告(HR総合調査研究所)